2023/07/22 13:29

「魚河岸シャツ」という名前が定着したのは、昭和50年代頃。
それまで焼津の浜通り付近で漁業関係者が日常的に着用していた、手ぬぐいを縫い合わせて仕立てたシャツは「手ぬぐい襦袢」と呼ばれていました。
浜言葉(当時の焼津の浜通りの言葉)では「てぬげ~襦袢」と発音されていたというのも、素朴な港町の飾らない焼津らしくてすごく興味深いです。

この『魚河岸ヴィンテージ』は、焼津港が完成した頃(昭和20年代)に東京魚市場(現在の築地魚市場)から焼津に贈られた反物を、当時の雰囲気にできる限り近いカタチで再現して型を作り、晒の反物に染めてシャツに仕立てたものです。

焼津浜言葉を遺す会の会長であった長谷川寅吉さん(当時95歳)のご自宅で昔の焼津のお話をお伺いしていた時に、押し入れの奥から出してきた その昭和20年代の反物を託されたため、重みと使命感を感じ復刻させていただきました。

「焼市」と書かれた文字は、達筆であった大正生まれの寅吉さんの直筆文字をそのままデータに起こして型を彫ったもの。
大正~昭和~平成~令和と歴史をつなぐ魚河岸シャツとして、令和の時代がスタートした5月1日に発表させていただきました。

『魚河岸ヴィンテージ』復刻のストーリーは新聞にも大きく掲載されたりテレビ局の密着取材を受けるなど、大きな反響がありました。
こちらも濱いち屋の店頭でも通販でもご購入いただけます。(S・M・L・LLの4サイズ展開)

これからも魚河岸シャツの歴史を感じるシャツとして、この魚河岸ヴィンテージも大切に作り続けていきたいです。